リノア=アルティミシア説考察(FF8)

かなり古いゲームですがファイナルファンタジー8のラスボスであるアルティミシアが、物語のヒロインであるリノア(正確には未来のリノア)であるという議論があります。
通称リノアル説。

発売されたのは1999年だとか。
時の流れは早いものだ。

リノアといえばFF8のヒロインでかわいい、そして数々の迷言を世に送り出しファンとともにアンチも多い有名人。

時間は待ってはくれない。
握りしめても、ひらいたと同時に離れていく。

これはアルティミシアさんのお言葉。
時間の経過は早いものです。

公式に発表されているわけではなく、あくまでプレイヤーが予想でしかないのですが改めて考えるとリノアル説の方が納得できることも結構あるわけです。

とはいえ細かい部分ではリノアルであることの矛盾点もあります。
しかしリノアルでなければ、それはそれで矛盾点があるのがこの説のややこしいところではないかと思います。

キーとなる箇所は幾つかあるのですが、そのポイントを踏まえ肯定・否定両方の側面で考察してみたいと思います。

前提となるキーポイント(抜粋)

リノア=アルティミシアではない理由(否定)

リノア=アルティミシアである理由(肯定)

まとめ



前提となるキーポイント(抜粋)

ざっくりと考えるとキーポイントは以下の点でしょうか。
ゲーム内や攻略本での情報だけに絞って考えてみます。
他にも始まりの部屋やらいろいろあるのですが。

① FF8の世界はループしている
ループについては確定です。
エンディング時点でアルティミシアが過去のイデアに魔女の力を継承しています。

アルティミシア⇒イデア⇒リノア⇒いくつもの魔女を経由⇒アルティミシア⇒イデア …
と魔女の力の無限ループが完成しているわけです。

そしてその時に出来事をきっかけにイデアはガーデンやSEEDを作っています。

つまりアルティミシアが過去に干渉しなければスコールたちがいたガーデンや、SEEDというものも存在しないわけです。

ここでタイムパラドックスが生じています。
リノアル説を肯定しても否定してもかならずタイムパラドックスは発生しています。

② 時間圧縮により時間を超えることが出来る

エルオーネは特殊能力で人の意識をより過去へ飛ばす(ジャンクション)ことが出来ます。
主に過去のラグナたちがその影響を受けていたわけですが、エルオーネの力をもってしても過去を変えることはできませんでした。

またジャンクションさせることが出来るのはあくまでエルオーネが知っている時間までです。アルティミシアが使用した「ジャンクションマシーン・エルオーネ」も同様に使用者が知っている時間までしか戻れないものと考えます。

しかし過去は変えられないというのはエルオーネの考えですが、アルティミシアは時間圧縮の結果過去に戻り確実に過去に影響を与えています。

「時間圧縮で過去に影響を与える」ということが前提で現代が成り立っているとも言えます。

③ アルティミシアって誰?

本編ではあまり詳しく語られることがなく、どちらかといえばぽっと出のボスのように見えます。
イデアよりも何世代もあとの魔女とのことですが、詳細不明のためリノ=アル説が出る原因の一つとなっています。

④ ライオンのアクセサリー

FF8のライオンのアクセサリーである指輪は元々スコールが身に着けていたものです。
それをリノアに渡し、ゼルが複製を作ったことから最終的にはリノアが二つの指輪を身に着けているわけです。
デフォルトでは「グリーヴァ」という名前です。

なんとラスボスとの死闘でアルティミシアがグリーヴァを召喚し、戦うことになります。

わざわざグルーヴァを召喚すること、名前を知っていることがリノアル説の理由の一つとして挙げられます。

⑤ アルティミシアの羽

リノアは物語後半で魔女の力を継承し、特殊技ヴァリーで魔女の力で戦うことが出来るようになります。
それは天使のような羽を生やし浮き上がる、という演出です。

アルティミシアもラストバトルで同様に羽を生やします。
ただし、その羽の色は黒色です。

ちなみに他の魔女で羽が生える魔女はゲーム内では存在しません。

⑥ スコールの涙の理由

エンディングでは時間圧縮の中でスコールは最終的に皆の元へ帰れずにさまようことになるシーンがあります。
G.Fをジャンクションすることで記憶がなくなるというのは劇中でわかっているのですが、時間圧縮で任意の場所に戻るために必要な「大切な人」の記憶が失われてしまったことが理由であると考えられます。

諦めかけたスコールに羽が舞い降ります。
それを手にすると走馬灯のように記憶がフラッシュバック、特にリノアと初対面で一緒に踊るシーンが何度も出てくるのですが顔がはっきりとしません。
最後に宇宙空間で漂うリノアの宇宙服が割れたシーンが出た後にスコールは涙を流し、倒れます。
スコールが涙を流す、というのはただ事ではありません。

リノアの魔女としての繰り返しのループ、遠い未来でアルティミシアになること。
そして、そのアルティミシアに自分が刃を向けたことを気づいたのでしょうか。

もう、大切な人は戻らない。ということが。

⑦ エンディングにおけるリノアの反応

倒れたスコールはリノアに見つかり奇跡的に復活します。
その時のリノアの反応が最初すごく不自然なのですよ。

エンディングの最初のころ必死に探していたのが嘘のように、まるで知らない人を見るような反応です。
スコールを抱えたところでようやく気付いたかのように。

記憶がはっきりしない、そんな印象をうけます。

⑧ エンディングのリノアは魔女なのか?

FF8のエンディングはハッピーエンドです。
これは開発スタッフのコメントであり、私自身もそうあってほしい。
ラストで大団円なのがFF8なのです。

これはリノアル説でどっちであろうが不変なものです。

ところでリノアは結局最終的に魔女なままなのでしょうか?
結論から書くと、リノアルであれば魔女ではなくなっています。
リノアルでなければ魔女のまま、と考えるのが自然でしょう。

劇中ではリノアの魔女の力は誰にも継承されていないのですから。

リノア=アルティミシアではない理由(否定)

この項目ではリノアはアルティミシアではないという前提での考えです。

世界がループしているという点は特に変わりません。
魔女の力だけがループしていると考えれば特に不自然ではないです。
時間圧縮した時点で「魔女の力」はアルティミシアに集中したはずなので、アルティミシアが倒された後の世界では魔女の力はなくなっていると考えることが出来ます。

アルティミシアが誰なのか、という問題は残りますがこれは劇中で言われているように遠い未来の魔女と考えるのが自然でしょう。

ゲーム内では魔女はアデル・イデア・リノア、それとラスボスのアルティミシアの4人だけでしたが、表に出ていないだけで他にも魔女が存在していてもおかしくありません。
アルティミシアの目的が時間を圧縮し、魔女の力をひとつにすることであればそれまでは分散している状態と考えることが出来るのではないでしょうか。

つまり時間圧縮で魔女の力をひとつにする、というのは創造神の如く存在である魔法のハインの再現と考えることが出来ます。

FF8のラスボスはぽっと出のアルティミシアのではありますが、すべての魔女の力をひとつにした魔女の力の根源である「魔法のハイン」といえます。

ラストバトルでライオンを召喚しますが、対面していると心を読めるかリノアは完全に操られていた状態にあったので、その際に記憶を読まれたとも考えられます。

羽がリノアとアルティミシアの二人だけというのは、アルティミシアの魔女の力がリノアに宿ったわけですから特におかしくもありません。

時間圧縮世界でスコールが記憶のフラッシュバックの中で涙を流すのはG.Fの影響でリノアの記憶を失っていく中での混乱でしょうか。ちょっと苦しいですが。
リノアがスコールを見つけた際に反応が薄かったのも、G.Fと時間アシュクの影響で彼女も記憶が不安定になっていたのかもしれません。

最後にエンディングのリノアは魔女なのか?についてですが、リノアルを否定する場合にはリノアは魔女のままです。

時間圧縮世界の中で消滅しそうな中で奇跡的に二人は再開し記憶をよみがえらせ元の世界に戻ることができました。

魔女の力は継承されていませんので、この時間ではリノアは魔女のままです。
ただ魔女の騎士であるスコールが側にいるため、リノアが悪い魔女になることはなく、遠い未来で誰かに魔女の力を継承することになるでしょう。

そしてアルティミシアの時代で時間のループの中に「魔女の力」を閉じ込めることで、それ以降の魔女の存在はなくなります。

スコールがリノアを守り、魔女に力をもったまま幸せに生きていく。
それがリノアル説を否定した場合の結末です。

ただし魔女の羽、リノアの反応やスコールの涙の理由など、不自然な点がいくつか残るのも事実です。

リノア=アルティミシアである理由(肯定)

もう一つがヒロインのリノアこそがラスボスのアルティミシアであるという、リノアル説を肯定する場合です。

最初にオープニングについて。
オープニングでは花畑にリノアがいるシーンと、スコールとサイファーが戦うシーンなどが描かれます。
このリノアは作成中では特に登場しないシーンなのですが、エンディングにスコールの元に羽が舞い落ちてきていることを考えると繋がっているように見えます。

実はアルティマニアにはこのオープニングのリノアは”誰かを長い間待ち続けている”、”でもそれが誰かを思い出すことはできない”という内容のことが書かれており、リノアがスコールのことを忘れても待ち続けていること、それも長時間経過していることがわかります。
忘れたのはG.Fの影響でしょうが長時間過ぎていることを考えるとエンディングで最後に登場するリノアとは別人と思えてしまいます。
同一人物であればエンディングで羽を飛ばすシーンを出すべきと思います。

私が思うにラスボス戦後に時間圧縮で元の世界に戻れず、元の時代より少し未来の時代に行ってしまったリノアなのではないかと思います。

スコールは時間のはざまに迷い込んでしまったために出会うことは出来ず、記憶も失いつつある中で「誰かをここで待っている」ということだけが記憶に残っているのではないでしょうか。
彼女はこのままさらに記憶を失い、「悪い魔女」アルティミシアになったのかもしれません。

そんな中で飛ばした羽が時間圧縮の世界でスコールのもとに届き、最後にリノアと再会する奇跡のきっかけにつながった気がします。

もう一つ、リノアは魔女の力を継承したのち、夢にひどく怯えるシーンがあります。
「スコールを待っているのだけど会うことが出来ない」という場面ですね。
また自分が悪い魔女になったらSEEDであるスコールが倒しにくるのではないかと聞いています。
悪い夢を見て怖がっていると単純に捉えることも出来るのですが、この段階のリノアはいうまでもなく魔女です。
予知夢、もしくはループ世界の記憶がよみがえったとしても不思議ではありません。
魔女の力はループしているのですから。

つまり時間圧縮世界で二人が再開できない、そして時間を経てほとんどすべての記憶を失い、魔女の騎士であるスコールもいないリノアはアルティミシアになる。

そして過去からやってくるスコールに倒される。
そんな最悪の未来が見えていたのかもしれません。

次のエルオーネという存在について書きます。
エルオーネは自分が知っている時間の過去に意識を飛ばすという特殊能力を持っており、アルティミシアも未来に完成した「ジャンクションマシーン・エルオーネ」を使うことでスコールたちの時代に干渉しています。
目的はエルオーネの能力でより過去に戻るためです。
アルティミシアも自分が知っている時間までしか遡ることが出来なかったため、こんな回りくどいことをしたのでしょう。

しかしここで問題点が、そもそもなぜスコールの時代を知っているの?
ということです。
そうなるとスコールの時代には既にアルティミシアは存在しているということになります。

またFF8の世界は最初からループしていることが前提に成り立っています。
これは何度か書いてきた通り、最終的にスコールが過去に戻りイデアに進言したからこそガーデンやSEEDが存在しているのです。

その際、魔女アルティミシアは過去に戻りイデアに魔女の力を継承し消滅するわけですが、果たして本当に消滅しているのでしょうか?
仮にリノアが魔女の力によって姿も変わり魔女アルティミシアとなっていた、とすれば魔女の力を失うことで元の姿に戻ったのかもしれません。

そしてスコールと同様に時間圧縮の世界のはざまでさまようことになるわけです。

エンディングのラストで倒れたスコールを見つけたリノアの反応は薄いです。

まるで知らない人を抱きかかえるかのように。

顔を見て、触りようやく思い出した。
長い長い時を経てようやく全てを取り戻した、そんな風にもみえます。

時間圧縮で過去に干渉できるのはアルティミシアがイデアに魔女の力を継承したことからも確実です。
過去に干渉できればもちろん未来にも干渉できるはずです。

現にスコールたちは時間圧縮を利用し、遠い未来の魔女アルティミシアを倒しています。

そしてその時一緒にいたリノアはスコールと約束した花畑にたどり着きます。
ただしスコールたちと過ごした時間よりも、アルティミシアの時代に近い未来なのではないかと思います。

同じエンディングの中で前半の必死にスコールを探している姿と、発見しゆっくりとスコールを抱きかかえる姿の印象があまりに違いすぎます。

そのため、現在のリノア⇒アルティミシア撃破後未来へ⇒騎士であるスコールがいないため悪い魔女アルティミシアに記憶も薄れていく⇒アルティミシアになりスコールに倒される⇒過去のイデアに魔女の力を継承、元の姿にもどる⇒時間圧縮世界でスコールに再会
し記憶を戻す という流れではないかと考えます。

普通に考えると矛盾が生じています。
つまり最初のアルティミシア(リノア)はどのように未来へ行くことになったか?、です。
アルティミシアの時間圧縮が無ければリノアは未来に迷い込むことはありません。
リノアが迷い込まなければアルティミシアは存在することはありません。

しかしそもそもFF8の世界が時間圧縮のタイムパラドックスを前提に存在している世界のため、時間圧縮という特殊な環境が可能にした現象なのかもしれません。

ラスボス アルティミシア戦では、最終形態で語りかけてくるシーンがあります。
それは時間の流れの残酷さを悲しむような、ラストバトルとしては特殊なシーンです。

アルティミシア戦でスコール達と一緒に戦っていたリノアは、時間圧縮世界で未来に迷い込みアルティミシアになる運命です。

そしてスコール達に倒され、魔女の力を継承することで長い時を経てようやくスコールと再会したのです。

ライオンの指輪についてはリノアの記憶が断片的に残っていたのでしょうか。

スコールが時間圧縮世界でリノアを思い出そうとする中で最後に涙を流し倒れるのは、今会いたいリノアは自分自身が倒したアルティミシアそのものだと気が付いたからなのです。
取り返しのつかない、そのことに気づいたためスコールは涙したのでしょう。

しかし時間圧縮という特殊な環境が奇跡を起こし、長い時の果てに二人は再開することになります。
スコールはともなく、リノアにとってはとてつもなく長く苦しい時間だったことでしょう。

つまり最後にスコールと一緒にいるリノアは、少し前まで一緒に戦っていたリノアではなく、長い時間を迷宮から抜け出すことのできたアルティミシアということです。

この時点でリノアはイデアに魔女の力を継承し終わっています。

二人で一緒に星を見ていた時のリノアは、もう魔女の力はありません。

まとめ

なつかしいゲームということあり色々書きましたが、あくまで私の想像です。

色々と想像の出来る終わり方をしているゲームなのでそれぞれの解釈で楽しむことが出来ればそれでいいのではないですかね。

譲れないのは、「FF8はハッピーエンド」ということです。

リノアル説であればより深い内容になるものの、リノアが可哀そうすぎるのも事実です。

特殊技とカードゲームがとにかく楽しかった。

ラグナのような一見抜けているけど決めるところは決める、かっこいい男になりたいものです。

また時間が出来たら最初からやってみようかな。



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