堆肥作りの嫌気性発酵(メタン発酵)の特徴について

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嫌気性発酵とは?

堆肥作りでも用いられている方法です。
有機物を嫌気性状態(無酸素状態)で活発に活動する微生物に分解させる方法です。
分解工程でメタンガスが発生することからメタン発酵とも呼ばれています。
家庭で使用されているコンポスターなどの器具も密封するタイプのコンポストは内部でこの嫌気性発酵が行われているものと思われます。
嫌気性発酵ではデメリットも多いためにあまり堆肥作りの場面で使われることはないようです。
失敗すると腐敗することや、悪臭が発生することがあるからですね。

嫌気性発酵では分解工程で消化液と呼ばれる液体が発生します。
消化液は栄養分が多く含まれており、水で希釈することで液肥として用いることも可能だそうです。
私は鉢を利用しているので下の穴から抜けていき土に混ざっていくため液肥として使ったことはありませんが、液肥は刺激臭がするらしく、速やかに使い切るようにしましょう。

嫌気性発酵で堆肥を作るデメリットは?

デメリットは実にたくさんあります。
まず完全に酸素の無い嫌気性状態にすることが難しく、中途半端な状態にすると腐敗してしまうことがあります。
失敗して腐敗すると、当然ですが腐敗臭
また好気性発酵とは異なり、発熱量が多くないために殺虫・殺菌が不十分と考えることも出来ます。
嫌気性発酵が成功するとぬか漬けのような臭いにはなりますが、悪臭が出ることはありません。
先述しました消化液が発生することも課題の一つです。
基本的に衛生面と臭いの面で課題があることから、堆肥作りの際にはあまり活用されていません。
また嫌気性発酵が進んでもほぼ原型を維持しているということも嫌気性発酵の特徴です。

嫌気性発酵で堆肥を作るメリットは?

色々と悪いことばかりを書いてしまいました。
嫌気性発酵は失敗した際のリスクもありますので、その点を認識していただきたいと思い書きました。

デメリットばかりではありません。メリットももちろんあります。
好気性発酵であれば日々生ごみを投入する際に撹拌することが必須です。
これは酸素を全体的に取り込み、好気性発酵を促進させるために必要なことです。
しかし嫌気性発酵では酸素を取り込んではいけません。
そのため当然撹拌する必要もありませんので、日々コンポスターに生ごみを投入するだけでOKです。

また肥料効果という点では嫌気性発酵のほうが栄養価の点で優れているという考えもあるようですね。
好気性発酵は急速に発熱することで分解されていきます。
その際に栄養分も失われているようなのですが、発熱の少ない嫌気性発酵では栄養分の消失は少なく住むのだそうです。

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好気性発酵と嫌気性発酵の併用を行っています。

私はというと嫌気性発酵を一部の工程で利用しています。
まず生ごみを一定量蓄積させた後に土で完全に覆います。
空気を遮断した状態で2週間前後放置し嫌気性状態を維持します。
土で覆うことで虫の侵入防止にもつながっているようです。

その後はダンボールの中に麻袋を入れ、さらのその中に枯葉や戻し堆肥を入れた入れ物に生ごみを移動させ好気性発酵を進めていきます。
これをローテーションで繰り返しています。
一見すると最初から好気性発酵を行えばいいように思われるかもしれません。

しかし例え2週間でも嫌気状態で維持しておくことで見た目は変わりませんが内部的には分解されているようです。

以前好気性発酵のみで堆肥作りをしていた際には、発酵による発熱はそこまでありませんでした。
しかしこの併用に変更してからは好気性発酵に切り替えた翌日には湯気が出るほどの高温になるようになり、やはり効果はあるのだと思います。
虫が混入しにくいことも利点の一つですね。
設置スペースを確保する必要もありますので、どこでも出来る方法ではありませんが、堆肥作りの際にご参考になればと思います。



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